「すいません、乗ります」


エレベーターが閉まりそうになり、慌てて乗り込んだ


社長室がある六階
同じエレベーターに乗っていたのは見たことのない女の子とマネージャーらしき女性


女の子は小声でなにか歌っていて、マネージャーらしき女性が俺に気づき挨拶してきた


「お疲れ様黒崎さん、今度デビューする‘悠里’です。よろしくお願いします」

女性が頭を下げると隣の女の子もニコッと笑い‘よろしくお願いします’と言った


少し茶色の長い髪にクリッとした瞳に一瞬ドキッとしたがそれを隠すように無表情でお辞儀をした


これが‘彼女’との出会いだった