次の日の朝はけたたましい嵐と共にやってきた。
「帆をしまえー!早く帆をしまうんだぁー!!」船長の勇ましい掛け声と共に
「おーーー!!」と全員がそれに答えた。
当然リリも手伝っている。
帆をしっかりとしまえば安心だがそれまでが心配である。
誰一人集中をとぎらせてはいけないのだ。
1人1人が風と雨に負けじと帆につながるロープを縛っている。

とその時!大きな風が船を包みゼウスの持っていたロープが手から離れてしまった。
たちまち帆はバサッと大きく空中に広がりあおいでいる。
船長が「急げー!縄が解けたぞ!急ぐんだ!!」と言った。
みんなの動きが機敏になる。
べそをかいていたゼウスを見たエステラルドが「大丈夫皆が何とかしてくれるよ!」と頭をぽんと叩きながら言った。
それを聞いていたレオンが「そうそう。チビ助は気にすんな。」そう言うのを見てリリは(へぇ…結構いいとこあんじゃん)と思っていた。
が、またもや強い風が吹き、ゼウスがあおられ海に落ちてしまった。
「わー!わっぷ!った助けてー!お兄っ…レオ、ンお兄ちゃ…!わぷ!ごほっっ!」
「ゼウス、今助ける!」「待ちなさい!今飛び込んだらあなたまで死ぬわ!!」
「だからあきらめろって言うのかよ?信っじらんねぇ!俺は行く!!」
「「レオン!」」