な、なんかヤバい?雰囲気だよ。
どうしよぉ……。
しかも二人の雰囲気に周りの女の子達はみんな逃げちゃうし……。
「調子乗ってんな。バカ王子が」
羽鳥は思い切り千秋を睨みつけたあと、バイクを急発進させて駐輪場へ走り去っていってしまった。
ウェーブの髪の毛の隙間から見えた瞳が、なんだかとてつもなく怒っているようだった。
千秋と羽鳥は前程、険悪な雰囲気ではなくなったような気がするんだけど。
お互い顔を合わすと、こんな風にピリピリした空気が漂う。
「お前らほんとに仲良いな?」
アタフタしていると、千秋があたしの鼻を摘まんで皮肉をこめて言う。
い、いだいーっ!
鼻が赤くなるからやめてよぉ。
てゆーか千秋が言うと褒めてるようには到底思えないんだけど。