ユノが手を止めたからか、今度はポチがブロードを起こしにかかった。


それを見ながらもユノは怪訝そうに眉を潜める。




中将さまが起きたのは、ポチが彼にのっかかり耳元で大きく吠えてからだった。



さすがにビックリしたのか耳を両手で押さえ目を丸くしている。




「ポチ?何?安らかな俺の眠り遮るなんてお前らしくないな」


「わんっ!」


「ううううるさいな耳元で鳴くなよ」



…なんだか普通なブロード。



ユノは更に眉を潜めた。



眉間にシワが寄りまくる。




「あれっ、ユノ…。そんな眉間にシワ寄せてたらアトつくよ」


「誰のせいだと思ってんですか。大丈夫なんですか?」


「え?」



訊かれた彼はきょとんとしながらポチを腕に抱くと立ち上がった。


足元もしっかりしている。



どうやらそんなに心配する程ではなかったらしい。





「……焦った私が馬鹿でした。そうですよね、馬鹿は風邪ひかないって言うし」


「え?え?何か怒ってない??あっ、寝たから!?」



むすっとして言うユノに焦って慌てるブロード。



殴られやしないかと危惧しているのだ。