「何で…?」


そう囁いた声は、──…突如吹いた風により掻き消された。



桜の花びらが舞い散る中、その風でブロードの髪もふわりと舞う。



それにより少し隠れていた彼のピンクの頬が露になった。




そこでユノは気付く。





「……え、ブロードさん??」




ハイテンションだったから。



そう思っていた。




だが駆け寄り傍にしゃがみこみ額に触れると、思った通り少し熱い。




ユノやポチが熱かったのは、熱のあるブロードに結構な時間寄り添っていたからだった。





それがわかったユノは慌ててブロードを起こしにかかる。






「ブロードさん!ちょっと、大丈夫なんですか!?」


「…………うーん、あとちょっと寝かして…」


「何悠長なこと言ってるんですか!貴方、熱あるじゃないですか!!」


「……んん…、わかってるよ…」


「………え?」




寝ぼけているブロードの言葉に、ユノは彼を揺すっていた手を止めた。




今、確かに言った。



わかってるよ、と。




それなら何故こうして外にわざわざ出たのか。