蒼い髪が肩に触れるほど至近距離になり、ユノは何故か緊張して身を強ばらせた。
だんだん頬が紅くなってくる。
そんな彼女に気付いているのかいないのか、ブロードはユノの顔を覗き込むとやんわりと笑った。
「…ユノ、笑ってた方がいいよ」
そう言うと、ポチを撫でて後ろの樹に背をもたれさせる。
ユノはそんな彼を見ながら、目を丸くしていた。
それには気が付き、ブロードはまた笑う。
「…笑ってた方が楽しいだろ。
それにそうしたら、どんなに辛くても少しは楽になれるから」
「………………。」
自分の上司の言葉にユノは沈黙した。
それは、昨日…というより今日の真夜中、クリスが言っていたブロード本人の言葉と同じ。
──…誰かを助けるときに、必ず言う言葉。