「ポチが仲良くしたいって。
ユノが笑ってるの見たから、悪い人じゃないって思ったみたい」
「わ、悪い人!?」
今までそう思われてたの?と、ユノは少し落ち込んだ。
そんなことは一切気にせず、ポチは飼い主の上から身を乗り出す。
「ほら、撫でてみなよ」
「………………。」
ブロードに促されゴクッと唾を飲み、ユノはゆっくり手を出した。
しかしあと一歩でビビって躊躇してしまう。
するとそれを見かねたポチが、自分からユノの手に頭を触れさせた。
手がふわふわの頭に当たり、そのままユノはもう勢いだと緊張しながら撫でてみる。
「…きゅん♪」
ポチが嬉しそうに一声鳴いた。
ユノも頬を綻ばせて笑う。
「………ふふっ、柔らかい」
「よかった。仲良くなった?」
「わん」
「…前よりは?」
ブロードの問いにポチとユノが穏やかに答えた。
中将さまは満足そうに目を細めると、ポチを拾い上げ少しユノに近付く。