「………綺麗ですね」
「だろ♪俺らのお気に入りの場所だよ。」
口元で柔らかく弧を描くユノに、ブロードは嬉しそうにそう言った。
その腕の中でポチは彼に擦り寄る。
「わわっ、それくすぐったいよポチ!」
「わんっ♪」
「わ、あははははは!こしょばいこしょばい!!」
ポチとブロードが二人ではしゃぎだした。
ユノはそれを眺めてまた笑う。
そのユノの笑顔を見たポチが、ピタリと動きを止めた。
笑いすぎてゼーゼーしているブロードの腹の上で、ジッと彼女を見つめる。
「………何?」
ポチの視線に気付いたユノは、ビクビクしながらもそう訊ねた。
しばらくユノを観察しまくっていた小さな柴犬は、くんっと鼻を彼女に近付ける。
「ひゃあっ」
「わん!」
「ぶぶぶブロードさん!ポチが鼻寄せてきます!!」
まだゼーゼーしていたブロードは、ユノに視線を移すとにっこり笑った。
ポチの頭を撫でてユノに言う。