「ユノだってそんな反応されたら嫌だろ!」
「……何ムキになってるんですか?」
怒るブロードにユノは冷たく言い返した。
ポチがブロードを見上げてキュンキュン鳴き出す。
「何って……、ぅあ」
喋ろうとしたブロードは、気を取られたのかまたコケかけてしまった。
二度目のそれにユノもまた吹き出す。
「あははっ、そこでコケるんですか?
ていうか何もないとこでどうやってコケれるんですか!」
「コケてない!コケかけたんだ」
「変わりませんよ、ふふふ」
また笑い出したユノに怒っていたブロードも力を抜いた。
それから自分も小さく笑顔を見せる。
「ユノが笑ったの見たの、今日がはじめてだ」
「…………え」
思わず一瞬立ち止まったユノ。
しかしブロードの手に引かれ、歩みを出すことになる。
その瞬間、急に樹に囲まれていた景色が開けた。