イライラ……してる?


「さっきから思ったけど、機嫌悪いの?」


「当たり前だ!!」


アロは声を荒げて言った。


「……私が置いてったから?」


アロは再び目を逸らすと、フンッと鼻から声を出す。

右足がさらに激しく動く。


「寂しかったのかぁ?」

「なっ!!そ、そんなわけないだろう!俺の姫が勝手に行動するから、わざわざ来てやったのだ。そ、それだけだからな!!」




ちょっとからかうつもりだったのだが、動揺を隠せないアロを見て、クスッと笑ってしまった。


不覚にも可愛い、と思ってしまった。



でも、口には出さない。

怒るのが目に見えていたから。