美由の頭上には、はてなマークが浮かんでいた。


2人が会話しているのは解る。

けれど、そのもう1人がどこにいるかわからないのだ。



しばらく続く沈黙。



「アロ……?」

「あ、ごめん」


「仲……悪いの?」

「あぁ。お互い、まだこの体に慣れてはいないんだ」



そうだよね。


今までは私と同じ全くべつに人間だったのに、吸血鬼になんかされて。



ってこんなこと言ったら、わかった気になるな、なんて怒られちゃうかな?




でも、今まで人間だったのに吸血鬼になって姫の血を飲むのは



今まで口にしなかったものを口にするのは








一体どんな気持ちなんだろう――