「元々、僕らは別々に生きていた」


「全く別の吸血鬼だったってこと?」


「僕らは人間だったんだ」


「え?」



アロは項垂れた。


ますます頭がぐちゃぐちゃになっていく。




人間が吸血鬼になり得ることなんてあるのだろうか……。




「けどある日、悪さをした僕ら2人は、神様に呪いを掛けられて2人で1人の吸血鬼にされてしまったんだ」


「えっ……」


「その呪いの証拠がこれさ」


そう言って自分の左頬を指差した。