「えっ……ちょっと!?」


「……嬉しい」



小さな声だったけれど、耳元で囁いたので聞き取ることができた。




名前で呼ばれたかったのか?


そうならそうと言えばいいのに。




あ、もしかして恥ずかしくて言えなかったんだったりして。



可愛いところもあるじゃないか、なんて抵抗せずに黙っていると、アロナイヤの顔が近づいてきた。




そこでハッと我に帰る。