アロナイヤは躊躇いながらも、私の首に貼ってあった絆創膏を剥がした。


アロナイヤは噛み付く寸前に、もう一度私に了承を得た。


私は無言で頷くと、アロナイヤの長い前髪が、さらっと私の首元を撫でた。





そしてアロナイヤは私の首に刃を突き立てる。





痛くない


と言えば嘘になる。



けれど、不思議と朝より恐怖心は薄れていた。




朝は寒気さえも感じるほどだった、私の血がアロナイヤの喉を通るあの音も、さほど嫌ではなかった。




アロナイヤはゆっくりと口を離すと、口元を拭うよりも先に私の心配をした。