え……ちょっと待って!



そのとき、ちょうど昼食に使おうと思っていた大蒜(にんにく)を握り締めていたので、この紋所が目に入らぬか!と言わんばかりに、アロナイヤの目の前に晒す。



するとアロナイヤは大きく目を見開いて私を離した。



「ご、ごめんなさい」


アロナイヤは顔を引きつらせていた。


アロナイヤが謝ってくるその姿を見て、弱点を発見した!なんて呑気なことを考えていた。



すると突然アロナイヤは、がくっと膝を曲げて床についた。


右手では鼻を覆った。



「やばい……臭い……が」



アロナイヤは弱弱しく言うと、そのまま床に倒れてしまった。