急に体が震えだした。



どこか、この吸血鬼に少し心を開いてしまった今、それでもあの鋭い刃が、この首に突き刺さるのだと考えると身の毛もよだつ。



それに加え、私は血というのもが駄目だった。


自分の血でさえも、怖くて見ていられなくなってしまうのだ。





「無理よ……怖いもの……」


私は自分の腕をさすりながら言った。



「え?」



美由はアロナイヤから視線を逸らす。


震えているのを察したのか、アロナイヤが美由の元に歩み寄ってきた。



「……心配するな」


「えっ……?」




アロナイヤは微笑んで見せた。