「また会えて嬉しいよ、美由」


「え、どうして私の名前を……」



名前を教えた覚えなどない。




「嫌だな。姫の名前を忘れるはずないだろう?初めて会ったときから知っていたさ」



初めて会ったとき。


それは夢のことを意味している。



あの夢を見たのは偶然なんかじゃなかった。



毎日、同じ夢を見てしまうのも、偶然なんかじゃなかったんだ。



「ずっと待っていたんだ」






『 待っていたぞ 』



夢の中で最初に言われた一言を思い出した。


待っていられたって……困る。