私は目を丸くした。


そこには、あの夢に出てきた、吸血鬼のアロナイヤ=ジオハードが立っていたからだ。



「あ、貴方は……」




そんなはずない。


だってあれはただの夢。


この世に吸血鬼など、存在するわけがない。




あぁ、もしかしたら私は、まだ夢を見ているのかもしれない。