部屋の中は、無数の花びらで埋め尽くされていた。


私はその中の一つを拾いあげる。




「……薔薇?」




誰かの悪戯……?


いや、そんなはずはない。



家の戸締りはちゃんとしたし、もちろん、この部屋の窓の鍵も掛かっている。


そしてこの部屋の中に花なんて一つも飾っていない。




そう、不思議に思っていたときだった。