ついさっきまでは、嘘のように忘れていたと言うのに。


私は突然、無事に家まで帰れるかどうか不安になった。




奈津に夢のことを全て話して、一緒に帰ってもらえばよかった。


もうどこに行ってしまったかわからないし、急用そうだったのもあり、それは無理なことだった。




私は長い息を吐いた。



ここまで来たら、もうどうしようもない。





所詮、ただの夢。


だから大丈夫。



そう、自分に言い聞かせた。



そして余計な事を考えてしまわぬように、走って家まで帰った。