「あれ……?」
気が付けば私は“此処”にいた。
そこは照明が蝋燭(ろうそく)しかなく、床には赤い絨毯(じゅうたん)がずっと先まで続いている殺風景な場所だった。
全体的に薄暗く、この道の奥は暗すぎて何も見えなかった。
「ここは……どこ?」
私、神澤 美由(かんざわ みゆ)。
学校帰りの途中だったはずなのに、考え事をしながら歩いていたら何時の間にか此処に辿り着いてしまった。
私はクリーム色でツインテールの長い髪を宙に舞わせてその場で一回転した。
どの道を来ればこんな所に辿り着くのだろうか。
こんな場所、初めて来た。