「どうしたんだろマオ?」
「…今のは美雨が悪いよ。」
お父さんが私の肩にポンと手を置いた。
「え?」
「マオはね、美雨を傷つけた事をもの凄く後悔してたみたいだよ?美雨をヴァンパイアにしてしまったってね?でも、美雨は大丈夫だった。安心したんだよ。」
お父さんは悲しそうな顔をしていた。
「なのに、美雨から自分の血を飲んだらいいよ何て言ったら…あ、美雨!?」
私は階段を踏み外しそうになるくらい急いで登った。
私は…
私が…
マオを傷つけた…
ごめんね、ごめんねマオ。
コンコン…
「マオ?開けて?」
「…向こう行けよ。」
「…開けて?」
「向こう行けつってんだよ。別に怒ってねぇからよ。」
…ごめんねマオ。
私が傷つけたんだよね。
ごめんね…
「顔、見たいよぉ…マオ…」
私…バカみたい。
今さら気付いて、後悔して、挙げ句のはてには泣き出して…
何も分かってないじゃない…
でも、せめて謝らせて?マオ…
ガチャ…
「入れば?」