老い。


地球上全てに置いて、避けては通れぬ道だ。






人と車の通りが多い交差点が、眩暈を覚える程に混沌としている。


そんな視界を目の当たりに出来るこのガラス張りのカフェで、二人は居た。



愛想笑いも甚だしいスタッフのせいで、朱美は居心地が悪いと感じている。



しかし口にする珈琲は、美味しかった。


豆の香ばしさが鼻先をくすぐり、舌の上を滑らかに滑っていく。







「カフェインジャンキーなの。間違い無くあたしの身体は、血液の変わりにカフェインが流れてるわ。」



朱美の口癖だ。