『あたしは、寿命が来て死にたい。それだけよ。』



土を蹴る。砂埃が舞い、目の前がサラサラと流れていった。



『寿命はね、仕方ないの。神様がね、命あるものには限りがあるようにしたから。だから許せるの。寿命なら仕方ないってね。』


朱美は小さく笑った。

鳥が大空を飛び回り、花は色とりどりに咲き乱れる。

人々は足早に行き交い、犬は元気に吠え走る。




誰も、気付いちゃいないさ。


『生きてる』って事に…



理解出来ちゃいないさ。

"タイムリミット"が、あることに…