「…もう、よそう…なんか、疲れた…」



朱美は、今の状況に不似合いな花柄の可愛いポーチを片手に、席を立った。




ドアを開け、それでも何も言わないトーイに、朱美は背中で告げた。




「愛しいトーイ。あんたが理解出来ないのは当たり前なんだ、気にする必要無いよ。」



震える瞳からは、大粒の涙がこぼれる。



「自分の命…他人に左右されたくないよ。ましてや、他人の命にピリオドを打つ死神になんてなりたくないさ…」


そっとドアを閉めた。


泣くな…



間違ってないのに、自分が汚くみえて仕方ない。



別にあたしだって…



あたしだってさ……






父親を尊敬出来る子供で居たかったよ…