部屋は、ピタリと時間が止まった程静まり返っていた。



朱美は微動すらしないトーイに構わず、重たい口を開けた。




「自分を苦しめ続ける相手を、生きていて欲しいなんて思わないよ。それって、自然だと思うんだ。人間も動物。本能だよ。自分守る為のね」




空間が歪む気がした。


何を伝えたいんだろう、訳がわからなくなってきた…


朱美は気分が悪くなってきた。

顔面蒼白−

それって…

まさに今の状態かな…


朱美は事実、青ざめていた。



それにトーイは気付いていない。

朱美の話を理解出来ない自分に苛立ち、宙を睨み続けていたから。