家に帰っても会社の文句。


『あんな会社方針じゃおかしい!やってけん!!儲からんわ!!』


そんな威張るわりに、父親は『営業職』を利用し、昼間は家に帰ってきては、昼寝したりテレビを見ていた。


ほとんど一日を家で過ごす。


働く気が無い。



それでよく他人に批判するな、と朱美は苛立った。




朝早くから、夜遅くまで働き続ける母親が本当に可哀相で、余計に父親を怨んだ。


そんな母親に、感謝もしないで、むしろ『飯がまずい!』『こんなもんしか無いのか!』と罵る父親。




あーあ。

死ね。





朱美は、煩い罵声に耳を塞ぐ―



それが日常。


今でも、家に居るのは仲良い妹と母親が居るからだろう。



娘三人と母親は友達のように名前で呼び合い、本当に仲良しだった。





父親だけが、疎外された。





そんな、朱美の家族。