―ミュージックフェスタ本番


「はあ…緊張する…」


たぶん、顔がひきつっていると思う。


「結莉、あたし一番前で応援してるから!」


それが余計に緊張させるんだけどね。


あたしは、あの日にもう一回作詞した。


美里と拓海くんを詩にしたのだ。


だから、美里が前にいられると…


「何?あたしがいたら嫌なの?」


ちょっと怒り気味で聞いてくる美里。


「いやっ違いますよう…」


つい敬語になってしまう。


「まあ、頑張れっ!結莉なら、絶対大丈夫だから。」


その自信は、どこから来るのさあ?


まあ、でも…


「うんっ!」


頑張らなくちゃね。


美里と拓海くんのために。