「もう、大丈夫だからっ!」


なんて、嘘をついてしまう。


全然、大丈夫なんかじゃないのに。


「そうか?じゃあ…俺もそろそろ帰るわ。…じゃあな。」


「うん…。」


あたしは裕也が帰ったのを確認して、泣きじゃくった。


あたし…拓海の分まで生きていけるかな?


もう、だめだよぉ…


「ばーか。おまえが笑ってなきゃ、俺も安心出来ねぇっつーの。」


どこからか、拓海の声がした。


…ような気がした。


「あたし…ついに幻聴まで聞こえるようになったか…」