あたしが目を覚ましたのは、翌日だった。


「あれ…ここは?」


「美里っ!」


お母さんがすごい顔をして、あたしの名前を呼んでいる。


「ああ、お母さん。何であたしは病院にいるの?」


「美里…あんたは、事故にあったのよ。」


事故?


あ、もしかしてカラオケ行く途中に?


じゃあ、拓海は…?


ここにはいない。


「ねえ、お母さん?拓海は?」


お母さんは悲しそう顔をして、こう言った。


「美里…落ち着いて聞いてね。拓海くんはね、美里を助けようとして死んじゃったの。」