「ってか・・・結莉って呼んでいい?」


「はっ?」


つい、心の声が出てしまった。


「あ、嫌だった?」


「う・・・え、そんなことないよ。」


「じゃあ、結莉って呼ぶな!!俺の事は裕也でいいし。」


「あ・・・うん。」


ああーーー


あたしは馬鹿だあ!!


自分で仕掛けた罠に自分で引っ掛かった人みたいじゃんかあ!!


「はうー・・・」


「どうした?疲れたか?」


「あ、全然っ!むしろ元気だし!」


あぶねえ、つい本音が出そうになった。


こんなにも早く帰りたいと思ったのは、今日が初めてかも・・・


「ってか、結莉の家ってどこ?」


「あ・・・そのへん。」


「そのへんってどこだよ。笑」