ったく、この子はどんだけ芸能界に入りたいんだよ。


芸能界に入ったって、人は人。


誰が何処で何を思ってるかなんてわかんない。


誰かに裏切られるって事もあるんだろうな…


あたしは、なっちゃんの疑いも晴れたはずなのに、まだ臆病なままだった。


「…情けないな。」


「はへっ!?」


案の定、美里がびっくりした。


「あ、ううん。何でもない。」


「そっか…」


あたしは、この時美里の悲しい顔を見てなかった。


というより、自分の事で精一杯だった。