「いたっ…」


なっちゃんは普段、おっとりしていて、暴言など吐かない人だった。


それが今はあたしの知らない、なっちゃんになっている。


「結莉…さようなら。」


と言って、なっちゃんは教室を出て行った。


「…え?」


何で?


親友だと思ってたのに…


何で…?


それから、あたしへの無視が始まった。


「なっちゃん、おはよ…。」


「あ、梨香ぁ!昨日のテレビ見た?」


あたしが一緒にいたグループの中の一人、松井梨香。


「うん。見た見たあ!沙由も見たよね?」


「うん。見たよ!」


と言うのは、中嶋沙由。


沙由もあたしと同じグループにいた人だ。


「沙由っ…梨香っ…」


あたしは、なっちゃんだけに無視されてると思ってたから、沙由と梨香に助けを求めた。


だけど…


「きっしょ。この教室にコギブリ以下の人間がいるんですけどぉ。」


きゃははと笑うのは、沙由と梨香。