「おいしそうだね」


『うん…でも、僕たちお金持ってないから買えないよ。』


「大丈夫、僕に任せて!」


『ここにもお友達がいるの?』


「ううん、怖い犬がいるんだ…
何度も僕のしっぽを取ろうとするんだ
だから、あまり近寄らないようにしてるんだ。」


『テディ、僕ドーナツいらない!』


「どうして?」


『テディのしっぽ無くなるの嫌だよ…』


目が涙でいっぱいになりそうだったから、何度も何度も袖で拭いたんだけど、テディは「ルイがいるから大丈夫!」って僕を置いてドーナツショップに入って行っちゃったんだ…。


『テディまだかな…』


お店の前でテディが来るのをずっと待ってたんだけど、やっぱり気になってドーナツショップのドアを開けたら、中からテディがでてきたんだ。
手には、ドーナツが二個握られてた。


『テディお帰り!
犬に追いかけられなかった?』


「大丈夫! 今日は大人しく寝てたから」


『よかった。』


「一緒に食べよう?」


『うん!』


テディからドーナツをもらおうとしたら、テディの動きが止まったの。


『テディどうしたの?』


何度も名前を呼んで、やっと返事をしてくれたんだ。


「ルイ、僕のしっぽちゃんとついてるかな?」


『えっ?』