『新入生は、指示に従って退場して、クラス発表を見てから、教室に向かって下さい』

司会をしている熱血風の先生の指示に従って、少しずつ生徒が減っていく。

陽の列も体育館から、出て行く。

はぁぁぁぁ、やっと開放されたな。

そう思っていたら、

「さっきの嘘だろ?本当は、照れてるくせに♪じゃあ、またな」

と、ニヤニヤしながら言った後、足早に出て行った。

あいつ…本当に意味わかんない…

今まであんなヤツに出会ったことなかったから、どういうふうに喋ったらいいか分かんないし。

その後、いつ起きてたか分からないけど、お母さんがニヤニヤしながら

「ちょっっ!!!柚奈!!さっきのイケメンの子誰ね!?あんな子と入学早々出会えるなんてラッキーやないね♪絶対ものにしなさい!!きっとあの子も、あんたに気があるんたい★」

と、バリバリ方言が入った言葉をベラベラ喋るから、恥ずかしかった。

てか、あいつ…佐倉陽だっけ??

あいつの第一印象は…






『風』


知らない間に迫ってきてて、気づいたらいなくなってる。

なのに、なんか無視できないっていうか…


そう、これがこの先あたしの人生を大きく揺らす陽との出会い。



                            +出会いEND+