香月はコーヒーカップをテーブルの上に置き、お母さんの隣に座った。



「あの、実は授業をゆっくりしないといけなくてですね……。で、それをすると、どうしても他のクラスに比べて授業が遅れてしまうんです」


「それはハルの障害が関係あるんでしょうか?」


「正直に言ってしまえば、そうなります」


「今までそういったことがなくて、苦情だなんて初めてで……」



1年の担任も2年の担任も何も話してかなったのか?


香月のお母さんは今にも泣きそうな顔をしてる。


そりゃそうだよな。


自分の娘に対して苦情が来てるんだから。


しかも、お母さんは苦情のことを初めて知ったわけだし……。


その時、香月が制服のポケットからメモ帳を取り出して机の上に置いた。


そしてメモ帳を開くと、ボールペンで何か書き始めた。