「あの、実はですね……」
どう言ったらいいんだ。
「先生……」
「実に申しにくいことなんですが……」
ハッキリ言っていいのか?
「あの、先生?」
「すいません」
緊張するな……。
「ハッキリおっしゃって下さい」
「はい……。あのですね、実は……1部の生徒と保護者から苦情がありまして……」
俺はそう言った後に、チラッと香月のお母さんを見た。
目を見開き俺を見ている。
「……苦情、ですか?」
「あ、はい……」
「それはどうして?」
そうだよな……。
どうして苦情があるのか理由も話さなきゃいけないよな……。
そう考えてた時、香月が部屋に入って来た。
コーヒーカップの乗ったお盆を持っていた。