和室に置かれているテーブルの前に座った。


テーブルを挟んだ向かいに香月のお母さんが並んで座った。


香月とお母さんが手話で何か会話してる。


その後、香月は和室を出て行った。



「主人がまだ会社から帰って来てないんですが……。私だけでもいいでしょうか?」


「構いません」


「で、さっきお電話でお話してた補習なんですが……。ハルの成績が悪いとかですか?」



香月のお母さんが心配そうな顔をして俺の顔を見る。



「いえ、そういうわけじゃありません」


「では……」



あぁ……この時が来てしまった。


緊張する。


正座をしている足の上に置いた手をギュッと握りしめた。