「よぉ!」
俺が保健室に入った時、咲哉は帰る用意をしていた。
「瑞樹か……。でも、ちょうど良かった」
「はっ?何が?」
「お前に渡したいものがあってな。職員室に行こうと思ってたとこだったんだ」
「渡したいもの?」
俺は咲哉の傍に行った。
「はいっ!香月からお前にクリスマスプレゼントだ」
咲哉の手にあったのは、可愛くラッピングされたクッキーだった。
「香月が俺に?」
「あぁ。補習で世話になってるからだって」
「そかそか」
俺はクッキーの入った袋を受け取った。
香月が俺にクリスマスプレゼントを……。
しかもこれ手作り?
「これ手作り?」
「香月のお母さんが作ったらしい」
「そっか……」
お母さんの手作りか……。
ちょっと残念だけど、でも香月からプレゼントされたことが嬉しかった。