「時間ある?」



元カノの言葉にコクンと頷いた。



「ここじゃー何だから、あっち行かない?」



元カノはそう言って、公園を指差すと、私の返事を聞く前に公園の中に入って行った。


逃げようと思えば逃げれるのに……。


私の足は公園の中へと進んでいた。


公園の中はイルミネーション見学に来てる人達で溢れていた。


元カノの後ろを付いて歩く。


イルミネーション見学の人達の横を通り、比較的、人が少ない公園の角の方にあるベンチに元カノは座った。


私は元カノが座ったベンチの前に立っていた。



「良かったら隣、どうぞ?」



私は首を左右に振った。



「あなたのこと、調べさせてもらったわ」



元カノが私の目を見てそう言った。


やっぱり……。



『私のことを調べて、どうするんですか?』


「瑞樹に放課後、勉強を教えてもらってたんでしょ?しかもその後は車で家に送ってもらってた……」



えっ?



「どうして知ってるの?って顔してるわね。さっきも言ったでしょ?あなたのことを調べたって。お金さえ払えばね、何だって調べられるのよ」



元カノがニッコリ微笑む。


金持ちの考えることはよくわからない。