「香月さん、あなた川瀬先生のこと好きじゃないって言ったわよねぇ?」
私は吉川麗華を見た。
「なのにこれはどういうこと?まるで恋人同士のような会話ね」
吉川麗華が私に1歩1歩近づいてくる。
「私の気持ちを踏みにじって!裏切者!」
吉川麗華が私を睨みつける。
「裏切者には罰が必要ね」
罰?
どうして?
『お願い!謝るから……。だからメモ帳を返して?』
目に涙が溜まっていく。
次から次へと涙があふれては流れていく。
「謝る?それで許されると思ってんの?泣けば済むと思ってんの?」
吉川麗華は取り巻きに何かを言った。
私は両腕を掴まれたまま体育館へ連れて行かれる。
「悔しかったら叫んでみなさいよ。先生に助けを求めてみなさいよ。出来ないくせに」
吉川麗華がニヤリと笑う。
ひどい……。
悔しくて下唇をギュッと噛み締めた。