「今、何て……」

「春樹さんの事が好きなの。だから信じる。さっきお店で怒った時は“好きかも”って感じだったんだけどさ、何か……その……」

「……」

「好きって感情が大きくなって、“好きかも”じゃなくなった。私、春樹さんの事が好きなんだよ」

「……やばい」

「へ?」

「すっげぇ嬉しい……」

頬杖をついていた左手で口許を押さえる春樹さんの顔は、思いなしか赤くなってるように見える。


その所為で自分がとんでもなく恥ずかしい事を言ったんだと、気付いたけど今更どうする事も出来ないから、


「はっきり言葉にしてもらえるのはもう少し後だと思ってた……」

春樹さんのその言葉に、何の返事か分からない「……うん」を口にして、香水がフワフワと香る春樹さんの腕の中にスッポリと収まった。