アズマのバイクの後ろはもぉ慣れたもので、



メットを被せられると

アズマの服をギュッと
掴んだ。



心地よい風も今日は
ただの冷え切った風に
しか感じない…




家に着いた時には
涙は枯れていて




「ミナミちゃん 着いたよ」



ずっと俯いてた私は
アズマの声で顔を上げる



「送ってくれてありがと」



そして、


その声は自分でも
信じられないほど
か細かった…