私はタクシーを一人で降りた…

タクシーが去った後…

私は一人、病院の前にたたずんでいた…

どうしたらいいのか分からなかった…

母子手帳もなければ…
保険証もない。
そんな私を病院が受け入れてくれるのか分からなかった…


すると、病院の自動ドアが開いて。
人が出てきた…

歩ちゃんだった。

「遥香…」

私を見て…歩ちゃんが驚いた。

「どうしたの?」

何か答えなくてはいけない…

答えのかわりに出たのは…

「痛い!!」

という声だった…

「遥香…」
うずくまった私に歩ちゃんが駆け寄ってきた。

そして…
うずくまった私の足元には水が溜まっていた…

破水だった…