『ん…』
目が覚めると俺には布団がかかっていて握っていたアネキの手はなかった。

「准、起きた?」

悪いことをした子供のような目をしてドアから半分だけ身体を覗かしていた


『アネキ』

「…」
俯いて口を閉じる


『おいで』

泣きそうな顔をして俺の傍に小走りで来る


『昨日のこと覚えてる?』

「ちょっと、だけ…」

『ちょっと?』

「うん。ご飯食べた後に植田さんに新しいワイン手に入れたから料理どんな風にアレンジしたらいいか教えて欲しいっていったから…ワイン入れて飲んだんだけど」

『そっから記憶ないの?』

「うん、ごめんなさい」