「やだ…」

『え?』

心臓がヤバいぐらいに鳴ってる……
馬鹿みたいにアネキが次言う言葉を期待する。


「その匂い…やだ」

心臓の音がうるさい
アネキの声がちゃんと聞こえないから…
お願いだから、
静かにしてくれ


「准、やだよ…」


『アネキ』

期待なんかしちゃいけない。
でも…
こんなこと言われたら期待してしまう。

“もしかしたら”
なんて馬鹿なことを考えてしまう――――



『お風呂入ったらヤじゃなくなる?』

俯いたまま何度も頷くアネキを見てどうしても頬が緩む