* * *
アネキが両手一杯に買い物袋を持って帰ってきた。
『何、その量の買い物…』
唖然としながら聞くと
「だって……」
何か言い掛けるとハッと何かに気付いたように
「な、なんでもない!!!」
と明らか何かあるのをバレバレでごまかした。
『まぁ、いいけど。…電話してくれたら迎えに行くのに』
「ありがとう。でも植田さんが車で送ってくれたから大丈夫だった」
『そっか…』
俺のドロドロとした気持ちをこれっぽっちも知らないアネキは最近買ってきたCDの歌を歌いながら冷蔵庫に食材を入れていた。
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