校門に行くと……
案の定、狼共に囲まれたウサギの状態のアネキ
「ねぇ、一人で回るの? 俺らが案内してあげるよ」
「…待ち合わせしてるんで」
「そんなこと言わないでさ?」
狼の1匹がアネキの肩に手を置こうとした瞬間、なんとも言えない気持ちが俺を支配する。
『触んな』
発した言葉は自分が思っていたよりもずっと低くてびっくりした。
「准! え、お前の女?」
狼だと思っていたヤツは他のクラスの顔見知りで少し感情が静まる……
『アネキ』
「あぁー騒いでた可愛いアネキってこの人だったんか…わりぃな? 知らなかったからさ」
『あぁ』
そう言って去って行くヤツらを見てこっそり溜め息を付く。
「准………その格好」
え、
まずそこ?
今からちょっと注意しようと思ってたところが2、3あるんですけど…
まず、何でスカートなんだよ!!!
朝…駄目って言っただろ。
って
言葉を必死に飲み込んで
『何だよ』
と不機嫌な声しか出せないのはガキだからだろうか