そして、春になって田中君達が卒業した。体育館では、涙なんか出なかったくせに、家に帰ってから溢れてきた。

現実を受け止めたくなかった。田中君が高校行ったら、もう手の届かん人になってまう。そう思っても、何もできない自分がいた。



悔しかった。羽交かった。

田中君の存在の大きさを思い知らされた。
気付けば、田中君を目で追ってる自分。
暇があれば、田中君の事ばかり考える自分。



それが、今更になって溢れ出して止まらなかった。