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昼の休み時間、2年ぶりに訪れた1年生の校舎は、人間以外なにも変わっていなかった。
おれは、北村麗華の教室を、廊下の後ろ側の扉からこっそりのぞいている。
北村麗華は窓際の一番うしろに座っていた。
ぼんやりと手元のシャープペンシルを見つめているようだ。
彼女の向かい側では、田端荻窪コンビが懲りもせず、つばを飛ばしながらなにか話しかけていた。
どうせまたどうでもいい話だろう。
北村麗華の周りには奴ら以外誰もいない。意識的に彼女から距離をおいているように見える。
廊下側の扉の近く、つまりおれの近くに座っている女子たちも、弁当を食べながら北村麗華の様子をちらちらうかがっていた。
うわさ話をしているようで、その声がおれにも聞こえてきた。